大会長挨拶

テーマ

『理学療法の E P D C A』

評価科学的根拠.そしてマネジメント~

九州理学療法士学術大会2020 in SASEBO

大会長 大山 盛樹

 

 56年ぶりに開催される記念すべき「東京オリンピック2020」の日本が躍動する年に学術大会を担うことに光栄に思うと共に、40年の積み重ねを経た九州理学療法士作業療法士学会を財産として黎明を告げていただいた鹿児島学会を嗣ぐ大会を担うことに大変緊張する心持ちで企画を行っております。

 これまで、理学療法は医療・福祉における国の姿で変遷し、制度という追い風もあって理学療法士は急増して来ました。近年は介護保険、地域包括ケアシステム、健康寿命の延伸の一次から三次予防の領域へと多岐に渉る貢献を期待されています。しかしながら、一方では最も国の財政を費やしている社会保障費を効率的に運用するために医療と介護の提供体制が見直されており、アウトカム指標の導入などと、国は常に費用対効果を求め、言葉は良くありませんが、「質の低い」「漫然とした」リハビリテーションは認めない情勢であることは周知のことと思われます。また、4つの「疾患別リハビリテーション」に「がんのリハビリテーション」が加わり、疾患別に細分化し其々に専門的な対応が求められるとともに、超高齢化社会の様相を含む対応には重複した状態とその問題も決して少なくはなく、担うケースや関わる職種の調整力は必須なものとなっています。

 日本理学療法士協会は私たち理学療法士に今、求められているものは「理学療法をマネジメントする能力」と示唆しました。その実現は身体機能の評価から問題点を抽出し、その問題点へのプログラム立案を行い、適切に理学療法を実施し、随時再評価することとし、その繰り返しつまりEPDCAサイクルが責任ある理学療法の結果を生み出すことになります。その繰り返し実行されるEPDCAサイクルには必ず科学的根拠がなければ意味がないことは言うまでもありません。

 そこで、私たち長崎が開催する学術大会のテーマはEPDCAの「E」に2つの意味「Evaluation・Evidence」を持たせ、その運用の「やりくり」(マネジメント)が重要と考え、「理学療法のEPDCAー評価・科学的根拠そしてマネジメント」といたしました。

 特別講演では「理学療法のスキルチェンジ」、シンポジウムでは「臨床実習」をテーマに学術大会の根幹として進めます。教育セミナーを「運動器」「循環器」「神経系」「地域」の領域より細分化し再考することで脇を固め、公開講座においては「スポーツ」のマネジメントをオリンピックに関連し彩りを添えます。

 それぞれの企画に「理学療法のPDCA」を分かり易く、PDCAのどの場面においても評価と科学的根拠を示していただき、そのマネジメントのあり方を導いていただけるものと期待いたしております。1日目には意見交換会(レセプション)を準備いたします。佐世保の夜もお楽しみください。

 長崎SASEBOの学術大会において、活発な議論と意見交換がなされ、どの時代にも生き抜く専門性を有する理学療法像について、求めることの出来る有意義な学術大会になることを希望いたします。

 たくさんの皆様のご参加とたくさんの演題のエントリーを長崎県理学療法士協会会員ならびに関係者一同、心よりお待ちしております。